第6回野田稲門塾(4月4日)

小雨の降る中、2026年4月4日に開催された第6回野田稲門塾。今回は「ぜひ聴きたい」というリクエストの多かった高木靭生さんにご登壇いただきました。高木さんの語り口は終始穏やかでしたが、そのまなざしの先には日本の未来への深い憂いが感じられました。 貧しい絵描きの父のもとに生まれた高木さんは、物理を志しながらも研究者の道を離れ、科学記者として時代の最前線に立たれました。高度成長の中で、遺伝子やAIといった新たな知が次々と産業へ姿を変える現場を追い続けてこられました。その熱狂の裏で見つめてこられたのは、名もなき研究室で積み重ねられる基礎研究の静かな営みでした。 「科学は最初にやった者が偉い」という言葉に象徴されるように、すべての革新は見えない努力の上に成り立っています。しかし今、日本はその土台を削りつつあります。未来の光は、目に見えぬ研究の中にしか生まれません――その危機感と希望を胸に、高木さんは科学の灯を守る重要性を訴えておられたのだと感じました。 日本の科学技術の未来に想いを馳せつつ、おいしいお酒をみんなでいただきました。
世話人 鈴木文一朗